鰹節は世界一硬い食品?ギネス記録の真実と驚きの製法を解説

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鰹節(かつおぶし)は世界一硬い食品として知られる日本の伝統食材です。カツオを原料に、燻製と発酵を繰り返して作られる鰹節は、木材を削るための大工道具「かんな」を使わなければ削れないほどの硬さを持っています。一方で、「ギネス記録に世界一硬い食品として登録されている」という情報が広く流通していますが、ギネスワールドレコーズへの問い合わせでは該当する記録は確認されていません。この記事では、カツオという魚の生態から鰹節の歴史、製法、種類、栄養成分、そして「世界一硬い食品」やギネス記録にまつわる真実まで、詳しく解説していきます。

目次

カツオとはどんな魚か?鰹節の原料となる海水魚の特徴

鰹節の原料となるカツオ(学名:Katsuwonus pelamis)は、スズキ目サバ科カツオ属に属する海水魚です。体は流線型の紡錘形で、高速遊泳に適した形をしています。一般的な漁獲サイズは体長40センチ前後ですが、大型個体では全長1メートル、体重18〜20キロに達することもあります。

カツオは水温19〜23度程度の暖かい海域を好み、熱帯域から温帯域にかけて世界中の海に分布しています。群れをなして回遊する習性を持ち、その速度は時速30〜40キロにも達します。特筆すべきは、カツオが泳ぎ続けなければ生きられないという点です。水を口から取り込んでエラ呼吸を行う仕組みのため、止まると窒息してしまうのです。眠るときでさえ泳ぎ続けるという、非常にエネルギッシュな魚といえます。

日本近海では黒潮に乗って春から初夏にかけて南から北上し、秋になると南下するという季節的な回遊を繰り返します。この回遊パターンが「初鰹」と「戻り鰹」という日本独自の食文化を育ててきました。春から初夏に上ってくる初鰹は身が締まってさっぱりとした味わいが特徴で、秋の戻り鰹は脂が乗ったコクのある味わいとなります。食性は肉食性で、小魚や甲殻類、イカなどの頭足類を幅広く捕食しています。

カツオの漁獲量と日本の主要産地

日本のカツオ漁獲量は1980年代まで世界第1位を誇っていましたが、インドネシア、韓国、台湾、フィリピンなど東・東南アジア諸国の台頭により、現在は世界第4位となっています。それでも年間約20万トン、世界全体の約7パーセントを漁獲しており、世界有数のカツオ漁獲国であることに変わりはありません。都道府県別では静岡県が全国シェア約30.5パーセントで第1位です。また、鰹節の産地として名高い鹿児島県の枕崎市・指宿市と静岡県の焼津市で、国内の鰹節生産量のおよそ98パーセントを占めています。

鰹節の歴史──奈良時代から続く日本の伝統食品

鰹節の歴史は非常に古く、奈良時代に編纂された「古事記」(712年)にはすでに「堅魚(かたうお)」という記述が登場しています。これは乾燥させたカツオのことで、現在の鰹節のルーツにあたります。当時からカツオを保存食として活用していたことがうかがえます。

中世から近世にかけて製法は少しずつ発展しました。江戸時代に入ると、紀州(現在の和歌山県)出身の角屋甚太郎という人物が燻製乾燥法(焙乾法)を発明したとされています。この手法によりカツオの水分を効率的に飛ばすことが可能になり、保存性が飛躍的に向上しました。これが現在の荒節(あらぶし)の原型であり、「熊野節」として広く普及していきました。

江戸時代後期から明治時代初期にかけては、カビを利用した熟成技法が確立されていきます。カビを2〜3回付ける「本節(ほんぶし)」の技術が完成し、さらに明治40年代(1907〜1912年頃)には4〜6回以上のカビ付けを施す「本枯節(ほんかれぶし)」が生み出されました。このカビ付けの技術によって鰹節の水分と脂肪がさらに取り除かれ、より硬く、より豊かな旨みを持つ最高級品が誕生したのです。

現代においても鰹節は日本の伝統食品の代表格として位置付けられています。2013年12月4日には「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコの人類の無形文化遺産に登録されました。その中心にある「だし文化」を支える鰹節は、改めて世界から注目を集めることになりました。

鰹節の製造工程──カツオが世界一硬い食品になるまで

鰹節が完成するまでには、原料のカツオを水揚げしてから最短でも60〜90日、本枯節ともなれば半年近くにわたる長い工程を経ます。この製造工程こそが、鰹節を世界一硬い食品へと変貌させる鍵です。

生切りから煮熟まで

最初の工程は生切り(なまぎり)と呼ばれる原料処理です。水揚げされたカツオの頭と内臓を除去し、3枚おろしにします。大型のカツオは「亀節(かめぶし)」と呼ばれる4つ割りに、小型のものはそのまま「小節(こぶし)」として加工されることもあります。

次に行われるのが煮熟(しゃじゅく)です。切り分けたカツオを専用のカゴに並べ、80〜98度のお湯で60〜90分ほど煮ます。この工程で身が固まり、余分な脂肪が落ちます。煮熟後には丁寧な手作業で骨や皮を除去する骨抜きが行われ、この工程の丁寧さが最終的な鰹節の品質を大きく左右します。

焙乾──燻製乾燥で硬さの基礎をつくる

骨を抜いたカツオを乾燥室に並べ、ナラやクヌギなどの木材を燃やした煙と熱で燻しながら乾燥させる工程が焙乾(ばいかん)です。数日から数週間かけてこの工程を繰り返すことで、表面に煙のうまみがしみ込み、内部の水分が徐々に抜けていきます。焙乾の回数は一般に10〜15回にも及びます。こうして完成したものが「荒節(あらぶし)」です。

カビ付け──本枯節への最終工程

荒節の表面についたタール分や油脂分を削り取って形を整えた後、いよいよカビ付け(発花)の工程に入ります。温度と湿度を管理した倉庫の中で、優良なカビ(主にユーロチウム属)を繁殖させます。カビが全体に広がったら天日干しや乾燥室での乾燥を行い、カビを取り除きます。

この「カビ付け→乾燥・カビ取り」を1サイクルとして、2〜3回行うと「枯節(かれぶし)」、4〜6回以上行うと「本枯節(ほんかれぶし)」となります。カビが節の表面に繁殖することで残存する水分や脂肪がさらに取り除かれるほか、有害なカビの繁殖が抑えられ、独特の風味と旨みが生まれます。カビによる熟成が進むと、節の色は黒から薄い灰色や銀色へと変化していきます。

鰹節の種類と違い──荒節・枯節・本枯節の特徴

鰹節には大きく分けて複数の種類があり、さらに削り方や用途によってさまざまな形態があります。

種類カビ付け回数特徴主な用途
荒節(あらぶし)なしやや脂分が残り、香ばしい風味花かつお(薄削り)として一般家庭向け
枯節(かれぶし)2〜3回荒節と本枯節の中間の品質家庭用・業務用
本枯節(ほんかれぶし)4〜6回以上水分・脂肪が徹底的に除去された最高級品料亭・高級和食店

スーパーなどで「花かつお」として販売されている薄削りは、荒節を削ったものがほとんどです。市場に流通する鰹節の多くはこのタイプにあたります。一方、本枯節はカビ付けにより水分と脂肪がさらに除去されているため、その硬さは突出しています。旨みが凝縮され、透き通った澄んだだしが取れることから、料亭や高級和食店では欠かせない食材となっています。本枯節から取るだしは、荒節のだしに比べて上品でクリアな味わいです。

削り方によっても風味は異なります。薄く削った「薄削り」は風味が豊かでだしが素早く出るため一般家庭向きで、厚めに削った「厚削り」は長時間煮出すことでより深いだしが出るため、業務用や濃いめのだしを取りたい場合に使われています。

鰹節の硬さの真実──モース硬度で見る「世界一硬い食品」

鰹節は「世界で一番硬い食べ物」として広く知られていますが、具体的にどのくらい硬いのかについては、さまざまな数値が飛び交っており混乱が生じています。

インターネットや書籍でよく目にするのは、「鰹節のモース硬度は水晶と同じ7である」「トパーズに匹敵する硬さ」といった記述です。モース硬度とは、鉱物の硬さを1〜10の数値で表すスケールのことで、1が最も柔らかい滑石、10が最も硬いダイヤモンドです。水晶(石英)はモース硬度7に相当します。

しかし、実際に本枯節のモース硬度を測定した結果では、硬度2.5という値が得られています。これは硬度2の石膏より硬く、硬度3の方解石で削り取れる程度の硬さです。10円玉(硬度3程度)でも傷つけられるレベルであり、水晶(硬度7)には遠く及びません。

物質モース硬度
滑石1
石膏2
本枯節2.5
方解石3
鰹荒節(別の測定値)5〜6
ガラス5.5
水晶(石英)7
ダイヤモンド10

別の測定では鰹荒節でモース硬度5〜6という結果も報告されています。ガラスやナイフの刃程度の硬さです。しかし鰹節削り器やガラス片でも削れるという事実を考えると、モース硬度7という値は過大評価と考えられます。つまり「水晶と同じ硬さ」という説は、誤った情報が事実として定着してしまったものと見られます。

とはいえ、実際の硬さは測定方法や部位、節の種類によってばらつきがあるものの、一般食品の中でもっとも硬い部類であることは間違いありません。木を削るためのかんなで削らなければ使えないほどの硬さを持っている食品は世界的にも珍しく、「世界一硬い食品」という表現自体は実態に即しているといえるでしょう。

ギネス記録の真実──鰹節は本当にギネス世界記録に登録されているのか

「鰹節はギネス世界記録に『世界一硬い食品』として登録されている」という情報は、インターネット上で広く流通しています。しかし、この情報は事実ではない可能性が高いというのが現在の状況です。

ギネスワールドレコーズに直接問い合わせを行った結果によると、「鰹節」に関するギネス世界記録は存在しないことが確認されています(2021年時点での確認情報)。つまり、多くの人が信じている「ギネス認定の世界一硬い食品」という情報は、公式には確認されていないのです。

この誤情報が広まった経緯については諸説ありますが、いつ頃から誰が言い始めたのかは定かではありません。「世界一硬い食品」という事実が誇張・曲解され、「ギネス認定」という権威あるお墨付きと結びついて広まっていったものと考えられます。

ギネス世界記録への登録は申請制であり、記録の種類、申請方法、審査内容などの条件を満たした場合に認定されるものです。仮に「食品の硬さ」というカテゴリーで申請すれば、鰹節が世界一の硬さを持つ食品として認定される可能性はあるかもしれません。しかし、現時点では公式に認定された記録として確認されていないことは事実として押さえておく必要があります。

重要なのは、ギネス記録の有無にかかわらず、鰹節が食品の中で際立った硬さを持つことは紛れもない事実だということです。日本の食文化において鰹節が持つ重要性は揺るぎなく、それ自体は世界に誇れるものです。

鰹節の栄養成分──高タンパク・低脂肪の優れた食材

鰹節は硬さだけでなく、栄養面でも非常に優れた食材です。成分の約70〜80パーセントはタンパク質で占められており、人体に必要な9種類の必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン、スレオニン、リジン、ヒスチジンをすべて含んでいます。必須アミノ酸は体内で生成できないため食事から摂取する必要があり、鰹節はその優れた供給源です。

鰹節の旨みの主成分は「イノシン酸」と呼ばれる核酸系のうまみ成分です。イノシン酸は筋肉や魚介類に多く含まれる成分で、生きているカツオの体内にはほとんど存在しませんが、乾燥・熟成の過程で増加します。イノシン酸は昆布に含まれるグルタミン酸と組み合わせると相乗効果が生まれ、単独よりも何倍もの強い旨みを感じることができます。これが日本料理の「合わせだし」の科学的根拠です。

ビタミン類も豊富で、ビタミンB12、ビタミンD、ナイアシン、パントテン酸などを含んでいます。さらにカリウム、リン、鉄、亜鉛といった多様なミネラルや、オメガ3系脂肪酸の一種であるEPA(エイコサペンタエン酸)、タンパク質の一種であるコラーゲンも含まれています。

このように鰹節は高タンパク・低脂肪・低カロリーでありながら多彩な栄養素を含む食材です。だしを取った後の「だしがら」にも栄養素は残っており、佃煮やふりかけとして食べることで無駄なく栄養を摂取できます。

だし文化と和食──鰹節が支える日本料理の基盤

鰹節は日本料理の基盤をなす「だし」の主役です。鰹節と昆布を組み合わせた「合わせだし」は、みそ汁、煮物、うどん、蕎麦、茶碗蒸しなど、和食全般に使われる基本の出汁となっています。

だしの取り方はシンプルで、沸騰したお湯に鰹節を入れて1〜2分で引き上げるだけで、澄んで香り高いだし汁ができあがります。ただし煮すぎると雑味や渋みが出るため、温度と時間の管理が重要です。本枯節で取っただしは特に澄み切った色と上品な旨みが特徴で、料亭や高級和食店では欠かせません。

2013年にユネスコの人類の無形文化遺産に登録された「和食」の核心にあるのも、このだし文化です。和食は動物性油脂に頼らず、だしの旨みで食材の味を引き立てるという特徴を持っており、ヘルシーでバランスの良い食事として世界から高い評価を得ています。

かつては日本のどの家庭でも鰹節と昆布から丁寧にだしを取る習慣がありましたが、現代では顆粒だしや液体だしが普及し、家庭でだしを引く機会は減少しています。しかし近年は食への関心が高まり、本格的なだしの取り方を改めて学ぶ人も増えてきています。

家庭でできるだしの取り方──一番だしと二番だし

家庭で鰹節を最大限に活かすには、だしの取り方を知ることが大切です。一番だしは、水1リットルを沸騰させた後、80〜90度程度に下げてから削り節20〜30グラムを加え、沸騰させずに1〜2分待ってからこすだけで完成します。このとき削り節を押しつぶさないことがポイントで、絞ると雑味が出てしまいます。一番だしは透き通った上品な香りとすっきりした旨みが特徴で、お吸い物や茶碗蒸しなどだしの風味を正面から感じる料理に向いています。

二番だしは、一番だしで使っただしがらを再利用して取るだしです。だしがらを鍋に入れて水500ミリリットルを加え、弱火で5〜10分ほど煮出してからこします。二番だしは一番だしよりしっかりとした旨みがあり、みそ汁や煮物など他の調味料と合わせる料理に適しています。

昆布と鰹節を組み合わせる合わせだしは、イノシン酸とグルタミン酸の相乗効果によって単独よりも格段に旨みが強くなります。水1リットルに昆布を入れて30分〜1時間浸け、弱火で沸騰直前まで温めて昆布を取り出した後、削り節を加えて1〜2分置いてからこすという手順です。合わせだしは風味の厚みがあり、あらゆる和食料理に幅広く対応できます。

海外でも広がるカツオと鰹節の旨み文化

和食ブームにともない、鰹節やだし文化は世界各国でも注目を集めるようになっています。海外の日本食レストランは2023年時点で世界に約15万9千軒を超えており、日本食への関心はかつてないほど高まっています。

UMAMI(うまみ)」は英語圏でもそのまま使われる言葉となっており、鰹節が持つイノシン酸を中心とした旨みの概念は世界の料理人の間で広く認知されるようになりました。フランスの三つ星シェフが鰹節の厚さや鮮度にこだわりながら料理に活用する事例も報告されており、アメリカではだし文化を広めようとする活動が続けられています。

フランスで本枯節の製造を目指すプロジェクト「枕崎フランス鰹節」のように、日本国外での鰹節生産への挑戦も始まっています。現地のカツオや類似魚を使って鰹節を作るこの試みは、鰹節の技術と文化を世界に広める新しい動きとして注目されています。

一方で、海外への鰹節輸出には課題も残されています。カビ付けによって製造された本枯節は、国によっては食品衛生法上の規制でカビが付着した食品の輸入が禁じられているケースがあります。このため一部の国には荒節しか輸出できないという制限があるのが現状です。それでも世界の日本食市場の拡大とともに鰹節の需要は着実に増加しており、日本の伝統食品として国際的な地位を確立しつつあります。

鰹節の主要産地──枕崎と焼津

鰹節の二大産地である枕崎市と焼津市は、日本の鰹節文化を支える重要な地域です。

枕崎市(鹿児島県) は薩摩半島南端に位置し、国内最大の鰹節産地です。生産量は年間16,388トンで全国トップを誇り、「本場かつお節」のブランドで知られています。良質なカツオの水揚げ漁港でもあり、原料から製造まで一貫した体制が整っています。枕崎のかつお節は地理的表示(GI)保護産品にもなっており、その品質の高さが公的に認められています。

焼津市(静岡県) は古くからカツオの水揚げで栄えた港町で、焼津港は国内有数の遠洋漁業基地として知られています。カツオやマグロの水揚げ量が多く、鰹節の生産も盛んです。各工場がそれぞれの個性を持ちながら高品質な鰹節を製造しており、日本一の生産量を誇る鰹節工場も焼津にあります。

鰹節にまつわる豆知識

鰹節には、その硬さや製法にとどまらない興味深い話題が数多くあります。

本枯節を使う場合には、専用の「鰹節削り器(かんな台)」が必要です。平らな台の上に薄い刃(かんな)が取り付けられた道具で、節を押し付けながら引くことで薄く均一に削ることができます。削り立ての鰹節はフレッシュな香りが強く、袋詰めの削り節とは別次元の風味があります。鰹節を削るために木工用の「かんな」と同じ原理の道具が使われていること自体が、この食品の硬さを物語っています。

鰹節を日常的に指す言葉として「おかか」があります。「かか」は鰹節の雅語であり、「お」をつけて丁寧にした表現です。おにぎりの具や和え物に使う際によく使われ、おかかご飯やおかかの和え物は日本の家庭料理として今も親しまれています。

猫に鰹節」ということわざも広く知られています。「危なっかしいこと、油断ならないことのたとえ」として使われるこのことわざは、猫が鰹節を好むという前提から来ています。ただし、現代では猫への生鰹節の与えすぎは塩分やチアミナーゼの問題から推奨されていません。

本節(ほんぶし)はカツオを4枚おろしにして作りますが、背側のものを「雄節(おぶし)」または「背節」、腹側のものを「雌節(めぶし)」または「腹節」と呼びます。雄節は脂肪が少なくすっきりした旨みのだしが取れ、雌節は脂肪分がやや多くコクのある味わいが特徴です。用途や好みに応じて使い分けることで、料理のだしの個性を調整することができます。

鰹節の保存方法と賞味期限

鰹節は種類や状態によって保存方法と賞味期限が異なります。削り節(袋入り)の場合、未開封であれば常温の冷暗所で保管でき、賞味期限は製造後おおよそ1年です。開封後は空気に触れることで酸化や風味劣化が進むため、できるだけ早く使い切るか、密閉袋に入れて冷蔵または冷凍保存するのが望ましいです。冷凍保存であれば品質を保ったまま長期間の保存が可能です。

本枯節(塊)の場合は、未開封であれば常温保存でおよそ2年が目安となります。開封後は空気や湿気を避けるため、ラップで包んでから密封袋に入れて冷蔵庫で保存します。削る直前に冷蔵庫から出してすぐ使い、残りはすぐに冷蔵庫に戻すのが鮮度を保つコツです。

なお、本枯節の製造に使われる優良カビ(白や灰色)は食べても問題ありませんが、保存中に発生する青カビや糸を引くカビは有害な場合があります。開封後の保存中に青くなったり異臭がしたりした場合は使用を控えることが大切です。

まとめ──鰹節が世界に誇る日本の食文化

カツオという魚が日本人の長年にわたる知恵と手仕事によって鰹節へと変貌を遂げるプロセスは、世界に類を見ない発酵・乾燥技術の結晶です。「世界一硬い食品」という表現は実態を伝えており、食べ物の中でこれほどの硬さを持つものは他に存在しません。ただし「ギネス世界記録に登録されている」という情報については、現時点では公式に確認されておらず、一般に流通している情報とギネスへの問い合わせ結果との間に乖離があることは事実です。

鰹節の価値は「硬さ」や「記録」という点だけにとどまりません。豊富な栄養素、食欲をそそるうまみ成分、そして何百年もかけて磨き上げられてきた製法と文化、これらすべてが組み合わさって鰹節は日本の食文化の宝といえる存在になっています。ユネスコ無形文化遺産に登録された和食の根幹を支えるこの食材が、これからも大切に受け継がれていくことが期待されます。

手削りの本枯節を使ってだしを取る機会があれば、ぜひ一度試してみてください。スーパーで手軽に手に入る花かつおとはひと味もふた味も違う、豊かで澄んだ旨みの世界が広がるはずです。日常の食事にほんの少し手をかけるだけで、日本の伝統の奥深さを改めて実感できることでしょう。鰹節というひとつの小さな木片の中に、日本の自然、歴史、技術、文化が凝縮されているのです。

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